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2000.V
 コバケン なかなかいいぞ!

ブラームス 交響曲第2番 小林研一郎 日本フィルハーモニー交響楽団 日本の演奏家の録音に積極的なCANYON CLASSICSのプロデューサー江崎友淑氏が自身の名前を冠したレーベルEXTONを設立し,今まで様々な制約で録音が出来なかった(?)曲とアーティストを積極的に取り上げています。
 彼のクラシック音楽のルーツがトランペットであり,そのトランペットの理想がチェコ・フィルハーモニー管弦楽団のトランペット及び金管楽器群であるため,チェコ・フィルと縁の深いアーティストが録音の対象として多い傾向があります。
 小林研一郎(通称コバケン)は1974年ブダペスト国際指揮者コンクール第1位・特別賞を受賞以来,アムステルダム・フィルハーモニー管弦楽団,ハンガリー国立交響楽団などでヨーロッパでの地位を固めつつ,日本でも日本フィル、東京交響楽団、九州交響楽団の首席客演指揮者、東京音楽大学講師をつとめるなど八面六臂の活躍を続けています。
 また,アマチュア・オーケストラの指揮も積極的に行っています。私は学生時代にサン・サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」を一緒に演奏する機会に恵まれましたが,アマチュア相手であっても全力で音楽に向かい,自身の理想を全身を使って表現する様に圧倒されました。
 そんな彼がチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の客演常任指揮者となり,CANYON CLASSICSとの録音が進むなど以前の彼からは考えもつかなかったほどのレコーディングがなされるに至っています。また,外国人として初めてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団とスメタナ;交響詩「我が祖国」全曲を録音するなどその実力と名声は高まるばかりです。
 そして長く良好な関係にある日本フィルハーモニー交響楽団とブラームスの交響曲第2番をライブ録音したのです。既に小林研一郎はハンガリー国立交響楽団と素晴らしいブラームス交響曲全集を完成させているのですが,今回のCDはそれを越えるできと評価できるものです。
 冒頭から素晴らしい集中力とコバケン独自の音楽に溢れ,また聴き覚えのあるサントリー・ホールの素晴らしい響きも余すところなく捕らえた録音と相まって「こりゃ,いいな〜」と思わず聴きながら独り言が出てしまうCDでした。


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