今月のおすすめCDについて
毎月購入するCDの中から今月の一押しを紹介!クラシックとは限りません。

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2000.X
 これは買いでしょう!!
ドヴォルザーク 交響曲第8番 コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団 LSOライブ 
 最近メジャー・オーケストラの自主制作盤が多数作られるようになってきました。
 彼らの演奏史には当然の事ながら,音楽監督や客演指揮者の名簿に歴代の名指揮者が綺羅星のごとく並んでいます。「これを商売にしない手はない。」と思うのが当然ですが,今まではレコード会社間の契約問題やこういった演奏記録が商売になると考える人があまりいなかったためか本当の名演奏として語り継がれ,またリスナーたちの間で「是非CDに!」と言った運動が起こらない限り正規盤として世の中に出回ることは希でした。そのことが海賊版が蔓延る一因でもあった訳ですが,近年はCD制作が容易であること,海賊版が演奏会語数年経つとすぐ出回って結構な商売になること,などが解ってきて(これは海賊版の効用と私は考えるところですが),なんと演奏してからまだそんなに日が経っていない好評だった演奏会記録を販売しようという団体が現れました。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界」 コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団←これが第1弾の「新世界」
 これも素晴らしい演奏。2楽章後半のコラールは,ハーモニー,ダイナミクス,歌わせ方全てに於いてトロンボーンを引っ張る首席バウスフィールドとトロンボーン・テューバセクションが完璧(まさに完璧!!)に演奏しておりライブでの一発演奏とは思えません。

 世界的なクラシックCDの販売不況のせいでメジャーレーベルからの新譜録音・販売・販売実績の低下は現在の演奏家にとって収入源の大幅減少として跳ね返っています。そんな中,アメリカのメジャー・オーケストラは次々に自主制作を開始していました。
 一番積極的だったのはシカゴ交響楽団で,「創立100周年記念ボックスセット」,「アーカイブからシリーズ(現在までで14集)」等を発売しています。また,ニューヨーク・フィルハーモニックが「ヒストリック・ブロードキャスト 1923〜1987」(所有しています),「マーラー・ブロードキャスト」(所有),「アメリカン・ブロードキャスト」など選曲を系統立てそこに大指揮者の録音を当てはめる手法で販売しています。
 クリーブランド管弦楽団は今回で2回目のボックス・セットを販売,フィラデルフィア管弦楽団も「100周年ボックス」,「歴史的録音集」などを販売しています。
 そしてついにイギリスを代表するオーケストラであるロンドン交響楽団が自主制作を開始しました。アメリカのメジャーと違うのはBBCクラシックスなど放送録音による過去の資産のCD化が進んでしまった関係から,過去の遺産を使用しようにも名演は発掘&発売がほぼ済んでしまってていて,使用できないのです。そこで,発想を変えて現在の音楽監督である名指揮者コリン・デイヴィスとの演奏会から好評を博したもの出そうと言うことになったようです。
 一般のお客さんがコンサート会場で購入することを前提にしたものでしょうから,まずは有名名曲と言うことで,第1弾はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」でした。 ブックレットの表紙はセンスのいいCGで,スポンサーにはITの新進企業SEMAグループを迎えて資金面のバックアップは万全なため,価格も低価格に抑えられ,コンサート会場で気軽に購入できるなどこれからを期待させます。
交響曲第8番のCDレーベル面 LSO0002←交響曲第8番のレーベル面
 このようにジャケットからブックレット,レーベル面に至るまでセンス良く統一されています。

 ブックレットは演奏に対する新聞の誉めている批評と簡単な解説です。
 第2弾は今回取り上げる交響曲第8番です。録音された演奏はLSOのホームのバービ・カンセンターで,昨年(1999年)の10月としか書いていませんから複数の演奏会から良い部分を取り上げているようです。
 現在のデイヴィスとLSOの関係が,本当に実りある素晴らしいものであることを証明する素晴らしいものです。録音もCD化を前提にしているためかなかなかです。
 1楽章では客席のざわめきの中からトロンボーンのハーモニーと憂いを帯びた弦楽器の歌が始まります。デイヴィスの演奏の良さは,そのバランス感覚と管楽器出身(彼はクラリネット)特有の管楽器への配慮だと私は思っています。全曲を通じて冒頭のハーモニーから楽章中盤の力強いメロディー等さすがの演奏を聴かせ,最後まで良い演奏です。

 これは買いでしょう!!


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