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2000.]

 華


 イダ・ヘンデル
 過去の人ではない。久々に咲かせた大輪の花が美しく咲き誇る。

 そのデビューから天才少女として伝説を作ってきた。
 公式プロフィールでは,
 1924年生まれ。
 1935年,ヴィエニャフスキ・コンクールにおいて僅か10歳にして第3位入賞。第1位ジネット・ヌヴー、第2位ダヴィッド・オイストラフといった錚々たる面々に続いての入賞に、そのニュースは゛天才少女出現!″と、当時大変な驚きをもって迎えられた。
 翌年1936年にリサイタル・デビュー、続いてブラームスの協奏曲でコンチェルト・デビューした後、弱冠15歳で英デッカと契約。
 1947年までデッカ・レーベルに録音を行い、数々の名演を残す。バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ,同 パルティータ
 と言うことになっていたのだが,
 生年は1924年ではなく、本当は1928年で、11才で英国デビューのとき、法律上、15才未満の子供の就労が許されないことが直前に分かり、プログラムとプレス発表を1924年生まれの15才、といつわった。
 1935年の第1回ヴィエニアフスキー・コンクールの第3位はアンリ・テミアンカで、ヘンデルはこのときたった7才で最優勝ポーランド賞に輝き、大統領官邸にも招かれた。
 という二重の驚きがあった。

 こだわりのAAD録音が深々とした重心の低い録音が心に深く響く。
過去の名録音を過去のものではない現代に通じるものとして蘇らせてきたTESTAMENT社は,過去の人(と思われている)も過去の人ではないことを新録音を持って証明してくれた。


  バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ
       無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ
  ヴァイオリン:イダ・ヘンデル(TESTAMENT)

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