毎月購入するものの中から今月の一押しを紹介!クラシックとは限りませんし,CDではないかもしれません。。 今月のおすすめのメインへ |
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2002. I 新たな規格 Pioneer DV-S747A 12cmメディア。同じ大きさのメディアであるならば,再生機も一つになっていいだろうと考えるのは誰しも同じことである。しかし,同じ大きさ,しかも光での信号読みとりという条件にも関わらず,読みとり方式や,データの記録方式が違うためにこれまですべてが再生できるコンパチブルのプレーヤーで,かつ安価なものはでていなかった。 SACDやDVD-AUDIOの魅惑的な宣伝文句に心を動かされている人も多いと思うが,如何せんSACDはプレーヤーの価格が,DVD-AUDIOは規格問題があり,手を出すのをこまねいている状態ではなかっただろうか?
再生できる規格はCD-AUDIO(現行のCD),VIDEO-CD,CD-R/RW,MP3,DVD-VIDEO,DVD-R/RW,DVD-AUDIO,SACDなのである。そして,DVD-MULTI,SACD-MULTIの再生も可能なのだ。ここにHDCDの再生まで付加されれば現行の12cmメディアはすべてクリアしてしまうというとんでもない代物だ。 しかもオーディオ誌によれば,音は「価格以上」とのこと。PioneerのCDプレーヤーといえば,以前から注目していたのがレガート・リンク・コンバージョン機能だが,「CDもハイクオリティ再生を実現する、新開発レガート・リンク・コンバージョンPRO搭載」と,至れり尽くせりである。ちょうどボーナスも出たことだし,「これを購入しない手はない」と早速購入を決めた。 翌日,早速プレーヤーを接続し聴いてみた。今まで愛用(と言ってもいいだろう12年のつきあいになる)していた1bitDAC機のPanasonicSL-P70に比べると,少し音が引っ込んだような気がするが,まだならしの状態であることと,ハイbit機の権化であるようなPioneer社製と言うことで,音の傾向に慣れないせいもあると思われる。このプレーヤーにはレガート・プロ機能に4種類選択肢があるとともに,ハイビットICにより16bitで記録されているCDを24bitへ引き上げるという。 今まで使用してきたPanasonicのSL−PS70はSACDの思想である1bit方式でCDの信号を量子化する。この方式での音は,自然界の音と同じ粗密波での変換を行うために,音の持つ雰囲気を伝えやすく,空気感の表現,特に弱音においての繊細性に優れるという。 私は長くこの音に親しんだが,満足できる物だった。アンプを購入し,スピーカーを購入し,とシステムがグレードアップしていても特段不満は感じなかった。 とは言うのも,CDの持つ欠点がそれほど気にはならないが,わかると言う微妙な線でまとまっているので普段は全く気にならないし,音楽や音に入り込むのにじゃまになるわけでもないので,結構満足している。 しかし,宣伝文句はいつでもそうだが,レガートリンク・コンバージョンは初代の発表があったころから魅力的に感じていた。同じような機能を持つハイフィデリティと言う,やはり高周波成分を付加する機械に食指が動いたこともあったが,我慢してきた。 生の音とCDの欠陥の両方をよく知っているだけに,どんな物でも良いから限界から脱出したかったというのが本音だ。 残念ながら音の違いがよくわからず,自分の耳はだめなのかとも思ったが,音に違いを求めるのは間違いであると気がついた。今まで耳障りに感じてきたCDのある部分,その原因がプレーヤーに依存してきたのか,CDの規格そのものなのか,と言ったところが本当の比較ポイントではないだろうか。 比較して感じたことは,「音にパワーが少し足りないかな?」ということだったが,それはまだ初めての印象であるので,何とも言えない。 このプレーヤーの良さは,冒頭にも記したとおり,マルチプレーヤーであることだ。 音の違いや良さはそのうち気づいていくことだろうと思うが,SACDには心底感動した。 来月は感動を覚えたSACDについて少し触れたいと思う。 DV-S747A(製品情報のページ) 今月のおすすめのメインへ |