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2002. X こんな曲こそSACD
新世代ディスクとして登場したSACDは参加陣営がSONYとTELARCくらいという寂しい状態ではあるものの,確実に数を増やしつつあります。 うれしいのはやはりTELARCが新録音で新譜を出してくれることでしょう。SACDは,音楽専用規格であるために,映画などでサラウンドが当たり前に認識されているDVDに比べて分が悪いかと思われましたが,ちゃんと5.1chのマルチチャンネルも規格化されていたのです。 残念ながら私の家ではサラウンド再生はできませんが,さらにSACDのすごいところは,この1枚のディスクに,CDとしても再生でき,2chステレオとしても収録されている上に,マルチチャンネル部分が別に収録されているということなのです。詳しくは,SACDの専用ページに譲りますが,DVDのように再生機が勝手にミキシングするのではなく,製作者の意図でミキシングされたステレオを聴くことができる点も好感が持てます。 もちろん今CDしか持っていない人でも聴けるという事も大きいでしょう。 カルミナ・ブラーナは,大編成のオーケストラと合唱と独唱を含んだ現代の傑作です。 大編成であるということは録音技師の腕の見せ所ということもあり,今までもずいぶんと名録音が誕生しています。私は現在36枚の演奏を所有していますが,毎回どんな演奏・録音が展開されるのかと興味が尽きません。 名録音を数多く発売してきたTELARCレーベルが,SACDという新たな規格に対して出した答えがこの1枚でしょう。 重要な録音では必ずプロデューサーにロバート・ウッズ,エンジニアにはジャック・レナーというレーベル設立時の黄金コンビで録音に当たりますが,今回ももちろんこの組み合わせです。 どんな鮮烈な音が収録されているのかと,身構えながら再生してみました。冒頭ティンパニの強打のffから始まる「O Fortuna」は,録音の印象を決定するといっても過言ではありません。もっとも鮮烈な音が入っているのはリッカルド・シャイー指揮,アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)の録音ですが,まぁそれほどではありませんでした。特段驚くような音は入っていませんが,何かが違います。合唱の絶叫とともに打ち込まれるBbドラムの音には存在感があり,かつ破錠無く再生されてきますし,複雑なオーケストレイションも混濁することなくしっかり聴かせます。 やはり今までのCDとは一線を画す音質であることがわかってきます。 CDプレーヤーでCDとして聴くことができませんので,一概には言えませんが,今まで聴いたことの無い再生音であるといえます。 今後SACDプレイヤーを買う予定の人ならば,是非持っていてもいい1枚です。 今月のおすすめのメインへ |