1999.U

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また買ってしまったモントゥーのフランク
フランク 交響曲ニ短調 モントゥー指揮 シカゴ交響楽団 リビング・ステレオ・シリーズ 「ああ!,なんて素晴らしいのだろうか!!」
 「こんなにもこの曲が魅力的に聴こえて来るとは!!ミラクルだ!!」
 既に2枚同じ音源のCDを持っているにもかかわらず3度目の同じ音源を買ってしまった。
 熱く音楽が湧き出し続けるモントゥーの隠れた(?)名盤が,また音質を改善して発売されたのだ。
 フランクの交響曲と言えばサンサーンスの「オルガン付き」の解説に必ず出てくる循環形式の元祖のように云われる交響曲である。3楽章からなり1,2楽章の主題が3楽章に回帰するその曲想はお世辞にも魅力的とは云えない主題に思えた。
 クラシックの知識を広めようと図書館で借りて聴いてみたのはバレンボイムのシカゴ響の物だったが,通り一遍聴いてからつまらない曲と思い遠ざかってしまった。2度目に聴いたのはオケで演奏するからという消極的な理由。
 だが今度は,何度も演奏する内にこの音楽の面白さに気づき始めた。このとき聴いたジュリーニ指揮ベルリン・フィルの演奏の素晴らしさも手伝って,これからも聴きたい曲になっていったのだ。
 CDがまだ今のようにフル,ミッド,バジェット,スーパーバジェット等という価格帯に分かれておらず,過去の音源はCD化するにあたらないと考えられていた頃,このCDはBMGビクターの廉価版シリーズとして登場した。
 ジャケットに蝶が出ている「パピヨン・コレクション」シリーズである。覚えていらっしゃる方もおられるだろう。
 このころの廉価版は音質は「CDにしたんだから良いだろう」的なただ音源をCDにしただけの物,もしくはまだ使いこなせないデジタル機器で高音部分をささくれ立たせただけのリマスターのCD化であった。そんなCDの悪い面ばかりが出てしまっていると言うイメージが先行していたため,敬遠していた。
 だが知人の一人が所有しているというので感想を聞いてみたところ,廉価版だがなかなか良い演奏だという。
 そういわれると聴いてみたくなるものでディスカウントショップ(この頃はそこで安く売られていたりしたのだ!)を巡り歩き手に入れて聴いてみた。
 「!!」・・・。冒頭の台詞である。
 モントゥーは粋な演奏をする好きな指揮者だが,音楽の喜びに溢れるフランクに感動してしまった。
 古い音源なため音が割れている部分もあるが,フランクを見直し,モントゥーの素晴らしさを知るために是非聴いていただきたい。
ちなみにこれがモントゥー・コレクションの1枚。同じ音源である。もうビョーキ(^^;;。



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