Renewal Diary 更新日記  特別編
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1999年 T U V W X Y Z [ \ ] ]T ]U
ニューヨーク・フィル ブラス・クインテット 演奏会見聞録

 さてさて 先日の掲示板で予告したニューヨーク・フィル・ブラス クインテット水戸公演のレポートです。
 以下のプログラムが当初の予定演目でしたが・・・・。

第1部(招待演奏) 大洗高校マーチングバンド部 『BLUE−HAWKS』 &高山アイコバトンスタジオ

(1)大洗:BLUE−LINE’99
(2)高山:ザッツ エンターテイメント
(3)大洗:FITING SOUND’99
(4)高山:ブギウギ ビューグルボーイ
      ワンマンズ ドリーム
(5)大洗:『四季』 日本の歌より

第2部
ニューヨーク・フィル ブラス・クインテット


(1)『王宮の花火の音楽』より ”歓喜”    ヘンデル
(2)金管五重奏曲                 アーノルド
   @アレグロ ビバーチェ
   Aシャコンヌ アンダンテ コン モート
   Bコン ブリオ
(3)ザ・リズムジリーズ              ガーシュイン
(4)『ウェスト・サイド・ストーリー』より      バーンスタイン
   @サムシングス カミング
   Aマリア
   Bアメリカ
(5)A列車で行こう                 ストレイホーン
(6)バレエ音楽『ガイーヌ』より          ハチャトゥリアン
   剣の舞
(7)ザッツ・ア・プレンティー            ポラック

第3部
ニューヨーク・フィル ブラス・クインテット
&『BLUE−HAWKS』 合同演奏


(1)星条旗よ永遠なれ スーザ
(2)美空ひばりメドレー 編曲 阿佐美圭祐  

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 この公演に気が付いたのはアレッシのホームページ(http://www.slidearea.com/)に載っていたニューヨーク・フィル ブラス クインテットの来日公演日程でした。
 まずそんな夢のような団体が存在するのかと目を疑ってしまいました。次に日程の最初がなんと「茨城県民文化センター」で二度目のびっくり。これはいくしかないだろうと思ったのですが、なんだか公演情報が見あたりません。プロアルテ・ムジケのホームページでは存在することすら忘れられているように載っていない!!  
 焦っていると別の公演のチケットを買うためにホールに出かけてみるとそこにはありましたありました。なんとその日発売!!
 しかし公演がなんか変・・・・。県内では有名な大洗高校マーチング・バンド「ブルー・ホークス」&高山アイコバトンスタジオ?そして3部では合同演奏!!
 「もしかしてこれは時差になれるためのやっつけ公演では?」との不安が頭をもたげました(これはある意味後で当たってしまうことになる。)。が,そうであっても並ではない彼らのこと,きっとレベルの違う演奏をしてくれると信じて自分を納得させました。
 なんといっても「3,000円 全席自由」の安さ。
 「きっと他の人は大ホールなのに前に行ってしっかり聴こうなんて人は居ないだろう。」とたかをくくり,その場を後にしました。 さて,当日。 朝から自分の部屋で職場の同僚2人と「クラシック聴きまくり会(仮称)」をやって少し食傷気味ながら演奏会場に出かけました。  
思った通り客層は明らかに自分の娘,息子を見に来たといった感じのおやじとおばさんです。こちらもなんかやな予感がします(これも当たってしまうことになりましたトホホ(T_T)。) 席は一番前から3列目の真ん中です。思った通り「ブルー・ホークス」目当ての客ばかりなのでほとんど居ません。
 そして第一部が始まりました。はじめに教育委員会や校長の挨拶などがあり(^^;;,はじまりました。
 10年ほど前にしか聴いたことがなかったので,なかなか上手なのに少し驚きましたが,4年連続マーチングの全国大会で金賞を受賞している実力は伊達ではなかったようです。席が前なので音量的に耐えるのには厳しいものがありましたが・・・。
  さてそうこうしているうちに休憩後はニューヨーク・フィル ブラスクインテットとなるのですが,ここで司会からショックな一言が!
 「本日1時到着予定の飛行機が遅れて3時に成田に到着したのでリハーサルを行っていません。」
 「テューバのディックさんの楽器が手違いで台湾に行ってしまい,別の飛行機でシアトルに戻ってしまったそうです。」
 などとすごいことになってしまいました。
 つまり,メンバーは時差が14時間もあるにもかかわらず,到着したその日にそのまま成田からここに来て演奏するという強行軍だったのです。反対に言えば,それだけやっつけ仕事だったわけですね。トホホ(T_T)。
 急遽会場に来ていた県警音楽隊のテューバを借りて演奏することになったのですが,彼の楽器は吹奏楽で一般的なB♭だったため,「アーノルドは難しくなってしまいました。 第一部が楽しいステージだったので楽しい曲をいっぱい演奏しますので。」とのことで少し期待して第2部を待ちました。
 さてついに第2部です。 ガーシュインの有名な曲をメドレーで集めた,ザ・リズムシリーズで開始されました。 まさに超一流の演奏しかもニューヨーク・フィルのトップで結成されたアンサンブルのガーシュインは格別です。トロンボーンやホルンのリズムとメロディーの交錯したアンサンブルの技,トランペットのメロディーのセンスともに抜群です。テューバはいきなりマウスピースまで違う楽器だったせいか,音の立ちがいまいちに感じられました。やはりクインテットにはE♭かF管でしょう。
 1曲目終了後にフィリップ・スミスが曲について簡単な紹介をして,2曲目のバーンスタインのウェストサイド・ストーリーから「サムシングス カミング」,「マリア」,「アメリカ」の3曲を演奏しますと言って座りました。演奏の感想は1曲目と同様です。さっきこの場に着いたばかりとは思えない時差による影響を感じさせないステージで,「楽器さえちゃんときていれば・・・」と思ってしまいました。
 続けてストレイホーンの名曲「A列車で行こう」が演奏され,今度は何度も来日公演を果たしているアレッシが簡単な日本語を使ってメンバー紹介です。ホルンのマイヤ−スは太っていることをチャームポイントにして笑いをとっていました。しかし,太り方が半端ではないですね。吹いているときにはffやハイ・トーンで禿頭まで真っ赤になって(これはどのメンバーも同じですが)脳溢血で死んじゃうんじゃないかと少し心配になったほどです(笑)。
 「さて次はポラック作曲のザッツ・ア・プレンティです。」と次の曲を説明した後早速演奏。なんとこれで演奏は終わってしまいました。今日予定されていた演奏曲目のうち1/3は演奏されなかったのです。いくらテューバが間に合わなかったと言っても酷いですね。アンコールと称して今日の演奏曲目に入っている「剣の舞」を演奏して引っ込んでしまいました(おいおい)。
 ここで休憩。また司会者が出てきて「3部で合同演奏予定でしたが,リハーサルの時間がとれなかったので「星条旗よ永遠なれ」を何とかやってみます。」とのこと
 そうこうしているうちに3部が始まりました。何とか合同演奏を行ってお約束のピッコロパートをピッコロトランペットで演奏も行われ無事一曲目終了です。2曲目のマーチングバンド用の「美空ひばりメドレー」のソロパートをl彼らにやってもらうはずだったのが「リハ無し」&「楽譜がテューバと一緒にシアトル」の為ただ聴いているだけになってしまいました。かわいそうなのは高校生です。ソロの練習はほとんどやっておらず今日急にやることになってしまったこととに加え,彼らの前でソロを披露する羽目になったんですから(^^;;・・・。
 こてこての美空メドレーをマーチングバンド用編曲で演奏された後,彼らもなんか演奏しなければ観客に悪いと思ったらしく,ファーナビー作曲ハワース編曲の舞曲集から「新しいサ・フー」と,もう一曲(知識のない自分が情けないですな(^^;;)演奏してくれました。
 コンサートは以上で終了です。
 なんだか文句言ってばかりのレポートになってしまいましたが,彼らの演奏技術の高さは本物であったことは間違いありません。どの曲も選ばれた名手達によって演奏されるべく其処にあるように聴こえ,技術と音楽の融合した理想の演奏が展開されていました。それだけに「完璧な状態だったら・・・。」と思ってしまい,以上のような文句が出てきてしまったわけです。生の演奏会特有のハプニングといえばそれまでですが・・・・。
 他の会場でしっかりした演奏を聴かれた方は大いに感銘を受けたことと思います。

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